【感想(数の作り方)】数に強くなる 畑村洋太郎


【感想】数に強くなる 畑村洋太郎 - 鳥木ケンのブログ 〜金融系が多め

(前回の続き)

 今回は、畑村洋太郎氏が本書で教授してくれる、数の作り方についてまとめていきたい。

 この作業をするにあたり、次の考えを忘れないようにしてほしい。

ケタ違いは注意

誤差が2倍もしくは半分までは許容すれる

 融通のきかない、頭のカタい人によく見られるが(不思議と中年女性に多いと個人的には思う)、割り勘で一円単位までこだわり、計算ミスをし、また再徴収するみたいな。そのような迷惑を、誰しもが一度は経験したことがあると思う。

 このように、正確に間違うよりも、ザックリした数字で大まかに正しいことを求めるようにしたい。

It is better to be roughly right than precisely wrong.

JohnMaynard Keynes

 上記を念頭に、具体的な考え方に移りたい。はじめにやるべきこととして、体感基準をインプットしていく作業がある。

 例えば、

  • 大股歩きは身長の半分
  • 電車は一駅2分
  • 7%10年で2倍
  • 日本国勢図会、世界国勢図会て一人当たりの捉える

 大股歩きはは自分の身長の半分ぐらいになので、電柱の間隔がどの位の長さで架線されているか、確認してみると面白い(私の大股で90センチ、30歩くぐらいだったので27メートルぐらいに思う)。

 電車は一駅2分では、東京駅から品川駅まで5駅あるので、2分☓5駅でおおよそ10分と仮定できる。グーグル先生は12分となっているので、ざっくりと正しいだろう。

 7%10年で2倍は、金融マンとかが素人を煙に巻く時によく使われる言葉だ。複利計算で、5%が2倍になるには14年ほどと計算され、実際の計算でもそのくらいの年月になる。

 世界国勢図会、日本国勢図会で国民一人あたりの計算をし、頭の中に納めるとイロイロと比較するのに役に立つ。例えば、世界国勢図会を例に取ると、日本の国土面積は38万平方キロメートルであり、これを40平方キロメートルとする。フランス、ドイツ、イタリア、イギリスは同じぐらいの国土面積であるが、人口数は日本が1.3億人に対し、これらの国々は凡そ半分と覚えておくと記憶に定着しやすい。中国は日本の国土面積の25倍、人口数はその10倍と覚えておくといい。

 日本国勢図会を参考に日本の一人当たりの数字を頭に入れる場合、次を基礎単位として覚えておくといい。

  • 日本の国土面積は38万平方キロメートル
  • 排他的経済水域を含めればさの面積は国土面積の10倍
  • 森林(山地)は国土面積の2/3
  • 平地は国土面積の1/3
  • 農地は国土面積の1/6 
  • 川と道路は国土面積の1/12
  • 宅地は国土面積の1/12

 例えばこの宅地面積はおおよそ3万平方キロメートルとなる。日本の人口数は1.3億人となり、世帯数を一世帯3人の同居数とすると、4000万世帯となる。さっくりとした一世帯あたりの宅地面積は300億平方メートル(キロメートルではない)÷0.4億世帯より一世帯あたり750平方メートルとなる。

 上記の計算は、都会と田舎とで一世帯数や人口密集度が異なるので、その仮定を含めるとまた違う計算、結果になる。ただし、最初の前提とした、倍もしくは半分までは許容されると考えると、ざっくり合ってると思うがいかがだろう?

数に強くなる (岩波新書)

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世界国勢図会〈2019/20年版〉

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