【書評】自己紹介が9割 立川光昭
高校を中退後、中古バイク販売の会社を起こし、その会社をユダヤ系商社へ売却、その商社の従業員として入社、ユダヤ人と肩を並べ仕事を開始、日本地区で一番の売上をたて同僚から認められたというのが、著書の立川光昭。いろいろと突っ込みどころ満載の、謎すぎる経歴を持つ著者であるが、本書で語っているのは、いかに自分と言う商品を他者へ売り込むかについて、タイトルの通り、いわゆるセルフブランディングについてを語ってくれる。
そのセルフブランディングの方法、次のステップで行われる。
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自分の価値を明確化する(自分の長所、短所を書き出す)
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それをもとに、弱みを強みに転換し、自分の長所を伝えるストーリーを作る
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ストーリーを肉付けし自己紹介用の短文にまとめブラッシュアップしていく
これだけ読むと、何のこっちゃ?という感じになるであろう。次の具体例を読めば、言わんとすることがつかめると思う。
自分がルーズな性格であるとした場合、
(1)「私は自分はルーズです」と相手(他者)にカミングアウトする。
(2)自分がルーズなところにも強みがあり、それを含めて自分の個性であると伝えるようにする
(3)私はルーズな性格です。なぜなら、ただひたすら顧客のことを集中して考え、他の事が出来なくなるタイプだからです
ルーズな性格であるを、弱みから強みへと相手に伝えるこの方法は、いろいろとつかめるものがあると思う。この相手に自らの弱点をさらけ出す、短所を自己開示するのは、相手に不快感を与えるためでも、奇をてらっているわけでもない。その理由は次のとおり。
- 話題を提供できること
- 心をオープンして自己紹介の場に臨んでいると意思表示できること
- 弱点カミングアウトすることで、相手に親しみを感じてもらえること
弱点、短所を相手に伝えて話題を提供し、自己を紹介するこの方法は、就活生であれば、就活方法指南で有名な、坂本直文先生の著書にも提唱されている。また、ヤクザの処世術に関する書籍でも、これと似たような記述がある(これについても、そのうち書評してみたい)。
ジャンルが異なっても、人と人とのコミュニケーションでは、自分の短所を相手に見せるのは、強みなのだと、私は強く再認識できた。短所を強みに変え、得られるものがある。立川氏が主張する、セルフブランディングから、弱みを伝えられる、自己を開示できるのは、強い人間なのだとも、この書籍を通して、感じ取れた。
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