【感想(「強いコトバ」をつくる技術)】伝え方が9割 佐々木圭一

(前回の続き)

  「強いコトバ」を作る技術についてまとめていきたい。まずは、「強いコトバ」をつくる技術の一覧と具体例を示す。

「強いコトバ」を作る技術

①サプライズ法

超カンタンだけどプロも使っている技術。

「そうだ、京都、行こう。」

②ギャップ法

オバマ元大統領、村上春樹も使う心を動かす技術

「これは私の勝利ではない。あなたの勝利だ。」

③赤裸々法

あなたのコトバを、プロが書いたように変える技術

「くちびるが震えている。あなたが好き。」

④リピート法

相手の記憶にすりこみ、感情をのせる技術

「今日は暑い、暑い。」

⑤クライマックス法

寝ている人も目をさます、強烈なメッセージ術

「ここだけの話ですが、私はカレーが好きです。」

   これらを解説していきたい。

【①サプライズ法】

    これはビックリマーク(!)をつけ、強いメッセージとする。方法は、まず最初に伝えたいコトバを決め、適したサプライズなワーディングを入れればOK。お題が「今日は運動会」とせると、。「そうだ、今日は運動会。」、「マジ、今日は運動会」、「今日は運動会!」などといろいろと作れる。

【②ギャップ法】

   これはぜひとも覚えたい。他の例も参考になるので、もう少し本書を引用したい。

「No.1にならなくてもいい

   もともと特別なOnly one」

世界に一つだけの花


「事件は会議室で起きてるんじゃない!

       現場で起きてるんだ!」

踊る大捜査線青島俊作


「お前の為にチームがあるんじゃねえ

        チームの為にお前がいるんだ!」

SLAM DUNK安西先生


「高く、堅い壁と、それに当たって砕ける卵があれば、私は常に卵の側に立つ」

エルサレム賞受賞スピーチ』村上春樹

     どれも本当に強いコトバだと思う。心が動かされ、自分でも同じコトバを紡ぎたいと強く思う。

     これはストレートに伝えたいコトバをを決め(例えば、「あなたが好き」とする)、これと反対の言葉(あなたが嫌い)を作る。これにより、ギャップがうまれ、強い言葉が生まれやすい。

「嫌いになりたいのに、あなたが好き。」

  意識するのは、スタートのコトバはマイナスの言葉でエネルギーを下げ、ギャップを作り、プラスの、ストレートなコトバを突き刺す感じだろうか?著者が提唱する、ギャップ法の手順は以下となる。

①最も伝えたいコトバを決める。
②伝えたいコトバの正反対のワードを考え、前半に入れる。
③前半と後半がつながるよう、 自由にコトバを埋める。

【③赤裸々法】

  次の文を読んでほしい。

上を向いて歩こう涙がこぼれないように」

上を向いて歩こう坂本九


「息を切らしてさ 駆け抜けた道を」

『終わりなき旅』 Mr.Children


「朝、目が覚めると泣いていた」

世界の中心で、愛をさけぶ片山恭一


「眠気で重いまぶたをゆっくり持ち上げた瞬間、眼球が飛び出るかと思うくらいの衝撃を受けた」

『夢をかなえるゾウ』水野敬也

  赤裸々法は、体温を感じさせる、詩人のようなコトバを紡ぎ出すことができる。まるで映画のセリフのように。

   作り方の手順は、今までと同じくらい伝えたいコトバを決め、自分のカラダの反応を赤裸々に言葉にし、それらをくっつけることで生まれる。赤裸々を意識できるよう、息づかい、うぶ毛、肌、頭の中、手のひら、指の先、血の巡りなどを意識しよう。

【④リピート法】

   これは実例を見るとわかりやすいので、いかに目を移してほしい。

遠く遠く離れゆくエボシライン~

(サザンオールスターズ希望の轍』)

 

You're everything You're everything

(Misia 『Everything.』) 

 

会いたくて  会いたくて  震える

西野カナ『会いたくて会いたくて』

  西野カナの言葉は、赤裸々法も混ぜてのコトバを生み出しているようにも読める。

   これらの法則は、独立に存在するのではなく、有機的に結びつけられるのだろう。

【⑤クライマックス法】

     以上を読めばもう分かってはいると思うが、伝えたいコトバを決め、クライマックスワードを始めに伝え、最後にコトバを作る。

 ではクライマックスワードとしては何があるか?

「ここだけの話ですが、~」
「他では話さないのですが、~」
「誰にも言わないでくださいね、~」
「これだけは、忘れないでください、~」
「一言だけ付け加えますと、~」
「ワンポイント アドバイスですが、~」
「3つのコツがあります、1つ目が~」

   よく学校の先生が口にしているセリフである。著者は次のように述べている。

「ここだけの話ですが、私はカレーが好きです。」

  著者はそのようには解説していなかったが、これはギャップ法も含まれているように思う。

   以上の方法をもとにいろいろと試してみたい。

伝え方が9割

伝え方が9割

 
まんがでわかる 伝え方が9割

まんがでわかる 伝え方が9割

 
伝え方が9割 2

伝え方が9割 2