【感想(「強いコトバ」をつくる技術)】伝え方が9割 佐々木圭一
(前回の続き)
「強いコトバ」を作る技術についてまとめていきたい。まずは、「強いコトバ」をつくる技術の一覧と具体例を示す。
「強いコトバ」を作る技術
①サプライズ法
超カンタンだけどプロも使っている技術。
「そうだ、京都、行こう。」
②ギャップ法
「これは私の勝利ではない。あなたの勝利だ。」
③赤裸々法
あなたのコトバを、プロが書いたように変える技術
「くちびるが震えている。あなたが好き。」
④リピート法
相手の記憶にすりこみ、感情をのせる技術
「今日は暑い、暑い。」
⑤クライマックス法
寝ている人も目をさます、強烈なメッセージ術
「ここだけの話ですが、私はカレーが好きです。」
これらを解説していきたい。
【①サプライズ法】
これはビックリマーク(!)をつけ、強いメッセージとする。方法は、まず最初に伝えたいコトバを決め、適したサプライズなワーディングを入れればOK。お題が「今日は運動会」とせると、。「そうだ、今日は運動会。」、「マジ、今日は運動会」、「今日は運動会!」などといろいろと作れる。
【②ギャップ法】
これはぜひとも覚えたい。他の例も参考になるので、もう少し本書を引用したい。
「No.1にならなくてもいい
もともと特別なOnly one」
「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」
「お前の為にチームがあるんじゃねえチームの為にお前がいるんだ!」
「高く、堅い壁と、それに当たって砕ける卵があれば、私は常に卵の側に立つ」
どれも本当に強いコトバだと思う。心が動かされ、自分でも同じコトバを紡ぎたいと強く思う。
これはストレートに伝えたいコトバをを決め(例えば、「あなたが好き」とする)、これと反対の言葉(あなたが嫌い)を作る。これにより、ギャップがうまれ、強い言葉が生まれやすい。
「嫌いになりたいのに、あなたが好き。」
意識するのは、スタートのコトバはマイナスの言葉でエネルギーを下げ、ギャップを作り、プラスの、ストレートなコトバを突き刺す感じだろうか?著者が提唱する、ギャップ法の手順は以下となる。
①最も伝えたいコトバを決める。
②伝えたいコトバの正反対のワードを考え、前半に入れる。
③前半と後半がつながるよう、 自由にコトバを埋める。
【③赤裸々法】
次の文を読んでほしい。
「上を向いて歩こう涙がこぼれないように」
「息を切らしてさ 駆け抜けた道を」『終わりなき旅』 Mr.Children
「朝、目が覚めると泣いていた」
「眠気で重いまぶたをゆっくり持ち上げた瞬間、眼球が飛び出るかと思うくらいの衝撃を受けた」『夢をかなえるゾウ』水野敬也
赤裸々法は、体温を感じさせる、詩人のようなコトバを紡ぎ出すことができる。まるで映画のセリフのように。
作り方の手順は、今までと同じくらい伝えたいコトバを決め、自分のカラダの反応を赤裸々に言葉にし、それらをくっつけることで生まれる。赤裸々を意識できるよう、息づかい、うぶ毛、肌、頭の中、手のひら、指の先、血の巡りなどを意識しよう。
【④リピート法】
これは実例を見るとわかりやすいので、いかに目を移してほしい。
遠く遠く離れゆくエボシライン~
(サザンオールスターズ 『希望の轍』)
You're everything You're everything
(Misia 『Everything.』)
会いたくて 会いたくて 震える
西野カナ『会いたくて会いたくて』
西野カナの言葉は、赤裸々法も混ぜてのコトバを生み出しているようにも読める。
これらの法則は、独立に存在するのではなく、有機的に結びつけられるのだろう。
【⑤クライマックス法】
以上を読めばもう分かってはいると思うが、伝えたいコトバを決め、クライマックスワードを始めに伝え、最後にコトバを作る。
ではクライマックスワードとしては何があるか?
「ここだけの話ですが、~」
「他では話さないのですが、~」
「誰にも言わないでくださいね、~」
「これだけは、忘れないでください、~」
「一言だけ付け加えますと、~」
「ワンポイント アドバイスですが、~」
「3つのコツがあります、1つ目が~」
よく学校の先生が口にしているセリフである。著者は次のように述べている。
「ここだけの話ですが、私はカレーが好きです。」
著者はそのようには解説していなかったが、これはギャップ法も含まれているように思う。
以上の方法をもとにいろいろと試してみたい。