【感想(「ノー」を「イエス」に変える技術)】伝え方が9割 佐々木圭一


【感想(正反対のコトバ)】伝え方が9割 佐々木圭一 - 鳥木ケンのブログ 〜金融系が多め

(前回の続き)

   本書のエッセンスをどんどん説明していきたい。

【「イエス」に変える3つのステップ】
(ステップ1)

自分の頭の中にある、お願い事をそのまま言葉にしない。

(ステップ2)

相手の頭の中を想像する

(ステップ3)

相手のメリットと一致するお願いを作る

(ステップ2)「相手の頭の中を想像する」を実行する際、「「ノー」を「イエス」に変える技術」というとっておきの7つの切り口があるので引用したい。

「ノー」を「イエス」に変える技術」

①相手の好きなこと
デートしてください
→「驚くほど旨いパスタどう?」


②嫌いなこと回避
芝生に入らないで
→「芝生に入ると、農薬の臭いがつきます」

 

③選択の自由
デートしてください
→「驚くほど旨いパスタの店と、石釜フォカッチャの店どちらがいい?」


④認められたい欲
残業お願いできる?
→「きみの企画書が刺さるんだよ。お願いできない?」


⑤あなた限定
自治会のミーティングに来て
→「他の人が来なくても、斉藤さんだけは来てほしいんです」


⑥チームワーク化
勉強しなさい

→「いっしょに勉強しよう」


⑦感謝
領収書をおとしてください
→「いつもありがとうございます。
領収書お願いできますか」

  いろいろと出てきたが、どれも難しい方法ではない。多種多様な切り口から、お願い事をよりスムーズに持っていけるセリフである。1つ1つ説明していきたい。

【①相手の好きなこと】

 「デートしてください」では、自分の都合となるが、「驚くほど旨いパスタどう?」は相手の好きなものにもとづいて入るから、相手へのメリットとなっている。他の例として、著者は次の例を上げている。

「できたてをご用意します。4分ほどお待ちいただけますか?」

「後方のお客様、お時間がかかってしまうので、ごゆっくり、お支度ください」

  これらの例を読むと、ただストレートにお願いするよりは、聞かされた方も気持ちがいいと思う。

【②嫌いなこと回避】

   これは嫌いなこと(農薬がつくこと)を回避できるよう注意を促した、うまい言い回しとなっている。

  近所の小売店では、万引は犯罪ですとあるが、これも「お客様のご協力いただき、万引き犯を逮捕できました。ありがとうございます。」みたいな言い方ができるのかもしれないと思った。

【③選択の自由】

     著者は例として「驚くほど旨いパスタの店と、石釜フォカッチャの店どちらがいい?」としている。これはヤクザが恐喝する際、二択で迫ってくるのと同じ方法だろう(笑)

  2択を先手で提示することにより、それ以外の選択肢(ノーとお断り)を相手に考えさせないようにしている。

【④認められた欲】

「きみの企画書が刺さるんだよ。お願いできない?」

   これは人たらしな言葉だなと感心した。人手不足で困っているという、飲食店とかは、シフトを組むにしてもこのような言葉をするだけでも、結果は全然違うものになると思うのだけど、いかがだろうか?

   バイトのシフトに限らず、何か仕事を部下に割り振るとき、リーダーは心がけたい言葉遣いだと思う。

   はなしが変わって、著者は大学の講義でボランティアを提案した際、ある学生が「ボランティアなんて偽善だ」と叫ばれたらしい。それに対し、仲間が次のコトバで切り替えし、学生の承認欲求を満たし、事をうまく収めたらしい。そのセリフは以下となる。

「アーティストだってボランティアなどの社会活動をすると、必ずネガティブに言われてしまうんだ。でも、そんなヤジはまったく気にしなくていい」

「偽善と言われようが、行動することに意味があるんじゃない? 何もやらずにいる人より、動く人のほうが素敵だし、その小さな積み重ねによって世の中はよくなると思うんだ」

  「ボランティアしよう」だと直接に言おうが、相手には響かない。人を動かすコトバは作れる。

【⑤あなた限定】

「他の人が来なくても、斉藤さんだけは来てほしいんです」

  この言葉を言われると嬉しいなと感じそうだ。人たらしすぎる。飲食店でたまにサービスですと配られる食事を頂いたりするが、「初めて来ていただいたお客さん」になどの一言加えるだけで、より嬉しい気持ちになりそうだ。

【⑥チームワーク化】

  これはもっと素晴らしい事例が本書にあったので、引用したい。

これは、もう一歩進んだ例です。本田直之さんの講演に参加したときに、その心の掴み方に衝撃を受けました。どの講演であっても、聴衆は意欲的な人とそうでもない人がいるもの。特に後ろのほうに座っていて、なんとなく参加した人たちは眠っていたりもします。講演がはじまったとき、本田さんはいきなり矢継ぎ早に質問をはじめました。
「この中で、自分がめんどくさがり屋と思う人?」
「この中で、満員電車に乗るのが嫌いな人」
「この中で、決まった机でずっと仕事するのが嫌いな人?」

これらの質問に、そこにいる会場ほぼすべての人たちがざわめきながら手をあげました。それらの質問は、ほぼ全員が手をあげたくなるような質問でした。そして本田さんも言いました。

「私も一緒です」

各分野で大成功しているあの本田さんが、自分たちといっしょの考えということに、その会場は軽い興奮状態になりました。(中略)もし、ただ「みなさん、私の話をきいてください」というカタチで講義をしていたらきっと寝る人も出てきたでしょう。ですが、本田さんの「みなさん、私といっしょに授業をつくりましょう」という暗黙のメッセージがあったことで全員の心が動いたのでした

   このエピソードを聞き、某宗教団体の教祖様のお言葉を想い出した人も少なからずいるはず(笑)。

【⑦感謝】

   これは最終手段にして最大の方法と定義されている。その通りだろうが、常に実践できるようにしたい。

(続く)

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