【感想(正反対のコトバ)】伝え方が9割 佐々木圭一
一時期、ビジネス書籍でも高い位置にランクしていた本書、伝え方が9割。私もいまさらながら本書を読み、その内容の素晴らしさに驚き感動したので、急ぎエッセンスを抽出したい。まずは、次のキャッチフレーズを読んでいただきたい。
「考えるな、感じろ」 燃えよドラゴン
「死ぬことに意味を持つな。生きるんだ!」 3年B組金八先生
「ちっちゃな本が、でかいこと言うじゃないか」 講談社文庫の広告
「別れることがなければ、めぐり逢うこともできない」 西洋のことわざ
「マフィアが少年聖歌隊に見えるほどの巨悪組織」 ピーター・セラーズ(ピンクパンサー)
「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」 踊る大捜査線
一度は耳にしたことがあるフレーズだと思う。これらを文字にして一通り目を通すと、何か感じるものがあると思う。私はそれを言語化することができなかったが、著者である佐々木圭一氏は次のように述べている。
一見、まったく違いますよね。単語はひとつも同じではありません。だけど、構造が似ていると感じたのです。どれも、正反対のコトバを使っている。
考える←→感じる死ぬ←→生きる
ちっちゃな ←→でかい
別れる←→めぐり逢う
マフィア←→少年聖歌隊会議室←→現場
はじめ、気のせいかなと思っていました。しかし、ただ偶然の一致にしては、見事にそろいすぎている。その奥に、明らかに何かがあるという宝物のにおいのようなものをビンビンに感していました。すべてが正反対のコトバを偶然ではなく、あえて使っているのではないか?
たしかに正反対の言葉を使っている。そして何より、これらのコトバは人を動かす力がある。ぜひとも、多くのサラリーパーソンも利用できるようにしたい。
本書では『「ノー」を「イエス」に変える技術』と『「強いコトバ」を作る技術』の二通りがまとめられている。このブログでは、まずは前者について、本書を引用しながら説明したい。
【「イエス」に変える3つのステップ】
(ステップ1)
自分の頭の中にある、お願い事をそのまま言葉にしない。
(ステップ2)
相手の頭の中を想像する
(ステップ3)
相手のメリットと一致するお願いを作る
⇒上記のステップは数多(あまた)ある自己啓発本に登場しているステップだと思う。あえて説明すると、アナタが誰かをデートに誘いたいとしよう。まず、「デートしよう」と伝えるのが(ステップ1)に該当。そこで立ち止まって女性が好きなことは何かを考える(例えば、その女性はイタリアンが好きとかの情報を思いだす)、これが(ステップ2)に該当する。最後に、相手とWin-Winの関係となるように、もう少し上手な誘い文句を作るのが(ステップ3)である(イメージがついたでしょ?)。
これだけを読むと、そこらの本屋に散らばっている自己啓発本と何ら変わりはない。この書籍の素晴らしいところが、この(ステップ2)の切り口を7つも用意してくれていること。そしてその内容が、そんじょそこらの自己啓発系モノとはレベルが違っている。それについては次回、記載していきたい。
(続く)