【感想(続き)(初対面編)】デキるヤクザの人たらし交際術 相手に気づかれずに「心を操る」禁断ワザ100 上野友行
https://trikiken.hatenablog.com/entry/2019/08/24/184243
(前回からの続き)
前回、著者である上野友行氏は、暴力団関係者との距離が近すぎるのではないかと書いた。そして、その近すぎるが故に、本書で書かれた内容は、暴力団関係者がいかにして喰い物を捕食するかがわかると。
今回は、その内容について掘り下げていきたい。あくまでも、普通のサラリーパーソンが応用できるぐらいの範囲についての制約をつけてだが。
今回は【初対面】での立ち振る舞いについて記載していく。
ビジネスの場でも同様だが、初対面での立ち振る舞いが勝負の分かれ目と言っても言い過ぎではないだろう。その具体的なテクニックについて、以下の項目が言及されていた。
- 初対面では、あえて自分から生い立ちや家族のことをしゃべること
- 待ち合わせ場所は、1時間前に着く(イニシアティブを握るため)
- 初対面での落差を利用する
- 相手に印象を残るようにする
上記だけを見たら何のことだと思われるだろう。それぞれについての詳細を書いていきたい。
【1.初対面では、あえて自分から生い立ちや家族のことをしゃべること】
親しくない間柄にもかかわらず、自分の生い立ちや家族のことが話せるのは、隠し事をしないタイプと相手に思わせられる。初対面で相手のことを詮索することは失礼と思われるが、あえて自分からそういう話題に触れることは信用を得られるケースがあるとのこと。
【2.待ち合わせ場所は、1時間前に着く(イニシアティブを握るため)】
初対面で顔合わせをする場合、相手よりも早く到着し、相手から「お待たせしてすみませんでした」と言わせるため、待ち合わせ場所には1時間前に到着するのがいい。それだけ、人間関係で「先手」を取られることは厄介であるとのこと。
また、小さなテクなニックとして、ワザと灰皿に吸い殻をいっぱいにし、コーヒーは水で冷やし半分以上飲んだ状態にしておくこと、呼んでもいない同行者が腕組みでイライラしながら待っていること。この状態を見て、相手から申し訳ないと気後(きおく)れさせる。
これで「謝る」、「許す」の関係を作り、その場の主導権、イニシアティブを握ることができる。
ちなみに、某ホテルのスカイラウンジは駅から近いが、エレベーターが入り組み、ラウンジに到着するまでに時間がかかることから、某暴力団関係者が待ち合わせ場所でよくつかわれるらしい。
【3.初対面での落差を利用する】
これについては、コワモテのサラリーパーソンでなければ、なかなか悪用するのは難しいと思う。その方法については、具体例を引用したい。
例えば、キャバクラという場所。ヤクザは気に入ったオンナを見つけるとどんな行動をとるか。驚くことに、いきなり難癖をつけて顔面に酒をぶっかけ、気分を害したなどと言いながら席を立ってしまう。だが、その去り際、店長にさりげなく金を握らせる。
「悪かった。連れの手前、ああでもしないとカッコつかなくてな。これはドレスのクリーニング代として彼女に渡してくれ」「そんな話を聞けば、店長のみならず、水をぶっかけられたキャバ嬢本人すら、「本当はいい人だったのか」と思ってしまうだろう。また、ここまででなくとも、目当てのキャバ嬢を見つけたからといっていきなり場内指名するのはまさに愚行(ぐこう)。彼らは今宵のターゲットが横についても気がある素振りは一切見せず、いつまたん他の席へと移させる。そして何人かのオンナの相手をした後、スタッフを呼びつける。「さっきのオンナを指名してくれ」
まったく指名してくれる気配がなかったぶん、その感激も大きいことだろう。初対面との落差を利用しようとしているわけだ。
このように、相手の印象とその落差を利用できるよう、暴力団関係者は意図的に作られたキャラクター、イメージを自己演出する。詐欺師と称される輩にも、このような手口を応用してくるであろう。
【4. 相手に印象を残るようにする 】
ヤクザも相手の印象に残るように、いろいろと自己演出をする。例えば、黒人のボディーガードをつけたりするケースもあるだとか。仮に金がないヤクザであれば、かなり目立つ街宣車チャリを愛用したりするらしい。要は、相手に自分の印象を残すことに余念がない。
サラリーパーソンが真似できることといえば、例えば、名刺にラミネート加工して大きくするのも一つの手である。名刺を頂いた相手は、カードケースに入らないので、はみ出た名刺を視認するたびに、相手に自分の存在を誇示できるとのこと。
他にも多々あるが、残りは次回に持ち越したい。
(続く)
デキるヤクザの人たらし交際術 相手に気づかれずに「心を操る」禁断ワザ100
- 作者: 上野友行
- 出版社/メーカー: 双葉社
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