【感想(情報源)】メディアが絶対に知らない2020年の米国と日本 渡瀬裕哉


【感想(トランプ大統領の選挙力学)】メディアが絶対に知らない2020年の米国と日本 渡瀬裕哉 - 鳥木ケンのブログ 〜金融系が多め

(前回分)

  ここでは本書の中から、個人的に気になった箇所だけピックアップしていきたい。主に、著者がアメリカ政治の分析に利用している公開情報である。それとは別に、少し気になる、平和そうではない組織についても備忘録がてら残しておきたい。

【情報源】

      英語に強い日本人はニューヨーク・タイムズやCNN.ワシントン・ポストを情報源として、アメリカ大統領の評価を目に耳にしていると思う。著者はトランプ大統領の政権動向を分析する際、ペンス副大統領を中心とした共和党保守派が屋台骨を支えている政権であると定義している。その保守派の思考を読み取れるのが次の情報源となる。

 

『The Daily Signal』

The Daily Signal: Policy News, Conservative Analysis and Opinion

日々のニュースに対して保守派のタイムリー な主張を提供するメディア。トランプ政権の意向を分析する上では必須の情報。

 

ワシントン・タイムズ

Washington Times - Politics, Breaking News, US and World News

保守派の意向を知れるもう一つの情報源。余裕がある人は読むことを著者は推奨している。

 

『Politico』

Politics, Policy, Political News - POLITICO

『Roll Call』

Homepage - Roll Call

保守派以外の米国政局情報を追いたい人向け。Politicoは毎日の政局ニュースをまとめてくれている。Roll Callは上院下院の議会動向をまとめてくれているらしい。米国は連邦議会が政治的な意思決定につよく影響している。その駆け引き具合がよみとれるらしい。

 

『Cook Political Peport』

Home | The Cook Political Report

有料サイト。この分析記事をそのまま日本語にすれば、立派な米国の選挙予想がてきるとのこと。

 

『ウォールストリートジャーナル』

共和党主流派のオーソドックスな分析記事が提供されている。

 

『Axios』

Axios

反トランプの新興メディア、クセが強め。参考資料までに。

 

『The American Conservative』

The American Conservative

リバタリアン系の情報源。こちらも補助的な資料。

 

【宗教外交】

 情報源で上げているサイトをいくつか見ていると何となく感じるものがあるが、宗教団体の影がチラホラと浮かび上がってくる。

トランプ政権肝いりの国際会議である Ministerial to Advance Religious Freedom の第2回会合が、2019年7月中旬に米国で開催された。同国際会議は全世界の信仰の自由を守 るために100カ国・1000人以上のキーパーソンが集まり、その強い意志を示すことを 目的としている。

(中略)2019年にはペンス副大統領とポンペオ国務長官が登壇し、各々の観点から素晴らしいスピーチが行われた。ペンス副大統領のスピーチは昨年会合における成果に触れつつも、いまだ全世界に残る宗教弾圧国に対して痛烈なメッセージを発するものであり、それはそのまトランプ政権の外交方針を示すものであった。

  宗教勢力はどこでも影響力を拡張している。古今東西、昔も今も。

ポンペオ国務長官の提案は「国際宗教自由同盟」を創設するというものだ。同氏によると、 この同盟は宗派の違いを越えて信仰の自由を守るために活動するという趣旨の集まりになる という。具体的な組織の在り方や活動内容については明瞭ではないが、現在の世界情勢に鑑み、日本政府はこの取り組みに対して静観を決め込むことは難しくなるだろう。「当然のことであるが、宗教弾圧が最も過酷な国は、共産主義国一神教色の強い国である。 具体的に言えば中国やイランのような国々を指していることは、一連の演説内容を見ても間違ういないことだ。宗教弾圧の対象となっているとはいえ、人々の信仰の力は非常に強力な側面があり、信念ある人々による抵抗はそれらの国々の体制を揺るがすきっかけを作り出すこともある。今回の米国が示した方針は、それらの信仰者を支援し、公然のネットワークを構築し、他国の体制に手を突っ込むことを宣言したに等しいものだ。

(中略)宗教教迫害をテーマにした世界の二極化の流れが出てくることは、日本人にとっては国際社会に おける不慣れな航海を強いられることを意味する。

メディアが絶対に知らない2020年の米国と日本 (PHP新書)

メディアが絶対に知らない2020年の米国と日本 (PHP新書)