【感想】ヨシダナギの拾われる力  ヨシダナギ

https://trikiken.hatenablog.com/entry/2019/07/09/203358

 以前、アフリカに住む少数民族と同じ格好をし、心の距離を近づけ、その少数民族の写真を撮り続けるフォトグラファーのヨシダナギ氏の書籍について感想を書いた。

 今回、彼女の別の著書「ヨシダナギの拾われる力」について感想を書いてみたい。

 こちらはビジネスパーソン向けに書かれた著書であり、彼女の経歴はビジネス界隈からみれば、他に類をみないタイプであろう。

 本書は、1時間もかからないぐらいで読み終えられるので、忙しいビジネスパーソンでも手軽に読める内容となっている。また、その内容は、会社を辞めて自由になりたいと願う、悩みの多いビジネスパーソンが読めば、得るものがあると思う。

 著者は、自分が出来ることと出来ないことを峻別し、出来ないことに一切のリソースを割かないことを徹底している。

自分のできないことは
やりたくないと言うよりも、
やらないほうがいい。
誰かできる人に任せたほうが早い

 凡百なサラリーパーソンであれば、社内では器用貧乏な役目を担わされるであろうし、本当に専門的な雑務でない限り、やれる限りの雑務はやらざるを得ないであろう。

 しかしながら、著者は本当に自分で出来なことはやらないし、他者にその仕事をアウトソースすることを徹底している。それは、著者がアフリカへ旅行準備のあるエピソードからもわかる。

現地の旅行会社に直接依頼しようと思いついたのだが、依頼するにあたって、英語でメールのやりとりをする必要があった。が、当時の私に書けた英文は「Hello. How are you?」くらいであった。
そこで、ネットで格安で利用できる翻訳サービスを探して、自分の言いたいことや頼みたいことをすべて英語の文章にしてもらった。そして、私はその英文をコビー&ペーストして現地の旅行会社に送りつけていただけである。

 このエピソードを読み、自分だったらどうするかと想像、「英語ぐらいであればちょっとした勉強になるし、旅行でも必要だから、勉強がてら自分でやるだろ」と思った。

 この読者の反応を待っていたのかと思われるような、著書の考えがこの後に展開され、私は本書を読みながら苦笑いをすることとなった。

今も当時も「自分で何とかしよう」とか、「いい機会だから英語を勉強しよう」などという気概は恐ろしいことにまったく起きなかった。
私の中2で止まった英語力から、英語を学んでいたらいつまで経ってもメールが送れず、アフリカに行くことはできない。そんなことは大変な時間の無駄である。
それなら、私よりもうまく、早く、正確にできる人がいるのだから、その人に頼むほかない。

(続く)

 

ヨシダナギの拾われる力

ヨシダナギの拾われる力

 
ヨシダ,裸でアフリカをゆく

ヨシダ,裸でアフリカをゆく