【感想】たった1日で声まで良くなる話し方の教科書 魚住りえ

 人前でスピーチなり、プレゼンをしなくてはならないビジネスパーソンは多いと思う。初めのデビュー戦を思い出せば、目も当てられないほどの惨状が目に浮かぶ人も少なくはないと思う。こればかりは場数を踏まない限りなかなか上達しない面もあるが、だからといって本番の場を練習と割り切ってはならない。なぜなら、クライアントがいるのだから。

 ではいざプレゼンの練習をしようとしたら、(GOOGLE様のアルゴリズムから)YouTubeでTEDを推奨され、そのプレゼンを参考にマネしてしまう人がたまに見受けられる。やれスティーブ・ジョブ、やれバラク・オバマなどの有名どころを参考に。しかしながら、連中のプレゼンを視聴しても、実際には何の役にも立たない。なぜなら、TEDに登壇するプレゼンターは"クセ"が超一流であり、"アク"が強いからこそできる芸当であり、彼女ら、彼らを支えるスタッフも超一流、そんなスタッフが組んだマーケティングなり、戦略を駆使した状態で、一流どころのプレゼンターは登壇しているのだから。要は、一般のサラリーパーソンとは、出発点が違うのだ。それだけでなくても、そもそも登壇上でごちゃごちゃ動き回るなんて、普通のプレゼンでは全く必要ない。

 ではどうすればいいのかというと、クセの強くない、発声方法でも練習するのがベターであると思う。

 意外と思うかもしれないが、声優スクールとかに、実は一般的なサラリーパーソンに向けての発発声、プレゼンの練習を行ってくれるコースがあったりもする。このようなスクールに通ったことはあるが、あくまで私が実地に体験したケースではとなるが、失敗した。要約すると、以下となる。

 

  1. プレゼン練習では、講師が女性の場合、発声できる音域が異なるので、アドバイスが合わないケースがある
  2. この手のスクールのプレゼンが、自分が意図するビジネスプレゼンとは合わないケースがあった

 1.について、複数回の練習(鏡張りのカラオケボックスみたいな箱の中で練習した)で、最後の一回で男の人が講師であったが、その時のアドバイスは、男の人のほうが役に立った。そもそも、女性の出せる音域や、スピーチで強調したい箇所が、思いの外、一致せず、少しストレスになったこと。

 2.について、これはワタシ個人の考えでもあるが、ビジネスの場で、情動に訴えかけるプレゼンは良いとは思っていないこと。たまに医療系の器具とかで、「この製品で多くの人を救いたい」と、心にも思ってないプレゼンを聞かされることがあるが、情動で訴えるのであれば、もっと本気で聞き手を騙しに来てほしい。それが無理なら、これでいくらの収益を上げるかビジネスライクに伝えてほしい。そして、この手のスクールは、声優向けコースの講師が、ビジネスプレゼンの講師も兼任しているためか、気持ちを入れた発声について色々と教えてくれたのだが、馬耳東風を絵にしたように、自分の耳からそのアドバイスが通り過ぎてしまった。

 色々とあって、結局行き着いた先は、自分1人や仲間と練習して行くのが無難だと思う。練習方法としては、比較的、役に立ったのが下のアナウンサーが書いた書籍であったので、役に立った箇所を引用していきたい。

(続き)

たった1日で声まで良くなる話し方の教科書

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