【感想(雑談の出だし)】超一流の雑談力 安田正

    初見の人と相対峙したとき、うまくコミュニケーションがとれず、また取れなかったことを後悔しては二重にストレスになった、そんな人も数多(あまた)いるとは思う。うまく雑談ができればなあと羨望しながら。

    本書はタイトルが雑談力とあり、雑談の、良いコミュニケーションが取れる術(すべ)を求め、私自身も上記のように気分が落ち込んだときに本書を読んだ。即効的な雑談方法を期待してたが、書いてある内容は総花的(そうばなてき)であり、ありきたりな戯言(ざれごと)と、読んだときには感じてしまった。いま改めて読むと、当たり前のことが記載されているとは思うが、その当たり前のことがいかに自分はできていないか、実践できていないかを認識、肚(はら)に落とすことができた。自分に足りない、自分を治すべきと思えた箇所を中心に、本書を引用しながら感想を書きたい。本書はビジネスシーンを想定して書かれているため、多くのビジネスパーソンにも役に立つと思う。

 

【自己開示は1分以内】

   自己紹介でダラダラと自分の話を続けるのはご法度なのはよく知られている。では自分のことを紹介するときはどうすればいいか?本書では、「自慢話をしない」、「軽い失敗談を話す」を推奨している。会社の同僚で愛されキャラをみていると、この失敗談を巧みに(もしくは自然に、天然に)行えているように見受けられる。それで、自分も失敗談を話すようにしたが、うまく行かなかった。本書では、具体的な失敗例が記載されている。

ただし、失敗談にも注意が必要で、

「昨日も飲み過ぎて今日も二日酔いなんですよ (笑)」

「いつも遅刻ばかりで会社からも怒られているんですよ (笑)」

「親の介護で大変なんです・・・」

といった類いの、「この人は人間的に大丈夫なのか?」と思われかねないような失敗談、 また、相手が引くくらいの経験談、身の上話はNGです。

     この失敗談を話す形で、「自分は昔は悪かった」、「遅刻をよくする」などは、本人なりの自慢話(中2レベル)というケースも多々ある。ホント、ウザイ。よい自己紹介、自己開示はどのようなものか?

「そう言えば、私もこの前飲みすぎて家内にどやされましたよ (笑)」

「学生の頃はサッカー部でやせていたんですけれど、今はこのとおりだいぶウェイトアッ プしまして(笑)」

「○○出身なのですが、女優の××さんと同じ小学校に通っていました」

    このような何気ないひと言で場の空気をよくしたり、相手が気になるような情報をあえて入れておくことによって、会話を広げるきっかけをつくります。

  自分のキャラクターや外見も考慮して、自己開示のテッパンを確立したいと思う。ただし、マジメそうにみえて、実はテキトウな人間と思われないようには気をつけて。なぜなら、多くのサラリーパーソンはマジメなように見えてしまっているから。

【一文は短く、リズミカルに話す】

   だだし、テッパン話をする際に、もう一段、工夫しよう。

 

  1. 一文は短く話す
  2. リズミカルに話すこと

 

   上記ができていない、ダラッとした話し方の例を上げる。

「昨日あるフランス映画を観にいったのですが、これがとても退屈な映画でして、思わず 途中できちゃったんですが、一緒にいった彼女はとても気に入ったようで、ものすごい怒っちゃって・・・」

   この話し方をする、嫌いな人間が思い浮かぶでしょ?もしかしたら、自分も同じような事をしているかもしれない。聞き手の耳にスッキリと聞こえる、話し方はつぎとなる。

「昨日彼女と映画を観に行ったんですよ。結論から言うとこれがものすごく退屈で。思わ ず途中で寝ちゃったんですよね。でも、彼女はかなり気に入ったらしく、『何で寝てんの よ!』って、あとですごく怒っちゃって.…」

   文章を区切ること。テンポよく話すことが大事だ。

【タテとヨコ  ー  会話の2つの軸】

   雑談で大切なのは、相手をのせること。基本的には相手に合わせて話題や接し方を変えて、盛り上げやすい空気を作っていくこと。ここでの大事な考え方に会話における「タテ」と「ヨコ」という2つの軸がある。

タテの軸というのは、会話の深さのこと。 これが深まると、相手との距離を縮めやすくなります。対してヨコの軸とは、何を話題にするかです。さまざまな話題をふりながら(「ヨコ展開」)、この人は何に興味があるのか、どんな話をすれば会話が深まっていくのかを探ってき、相手がのってきたところでその話題を深めていきます(「縦展開」)。

  ここで言う「ヨコ展開」は、天気・ファッション・健康・趣味・話題のニュース・出身地・仕事などで、当たり障りのない話題となる。そこから引っかかりをみつけ、「タテ展開」へと進んでいく。この縦展開は、それぞれの話題の中から、自分の鉄板ネタを話すこと。ただし、それは笑い話のネタではなく、使える知識であること。それが相手からの興味を引き、同時に相手に自分の印象が残ることとにつながる。興味が惹かれる知識ネタはこれらが参考となる。

(健康に興味のある人に) 「最近知った、とっておきの疲労回復方法があるんですが……」

(投資をしている人に)

「そういえば、投資家の〇〇が × ×社に1億ドル投資したそうですね。AAの分野が注目されているようですよ」

(お酒好きの人に)

「100円台でつまみが食べられる居酒屋をこの前見つけまして

    これらのネタをしっかりと用意しておこうりただし、相手の興味に引っかからなかったときには潔く諦めるのも大事である。次のチャンスにつなげていこう。

(続く)

超一流の雑談力

超一流の雑談力

  • 作者:安田 正
  • 出版社/メーカー: 文響社
  • 発売日: 2015/05/20
  • メディア: 単行本