【感想(聞き方)】超一流の雑談力 安田正


【感想(雑談の出だし)】超一流の雑談力 安田正 - 鳥木ケンのブログ 〜金融系が多め

(前回の続き)

 良い雑談を、コミュニケーションを取っていくには、相手の話しを聞く姿勢が大事である。ではどのような姿勢で望むべきかを、本書のエッセンスを説明していきたい。

【あいづち】

 私は相手の目を見るのがものすごく嫌いだ。だだし、相手を肯定的に受け入れない限り、コミュニケーションは成り立たない。なるべく相手の眉間に焦点を当てて見るようにしているが、私の肩にチカラが入っているからか、思うように相手との間合いをはかれない。本書では、「目に力を入れない、目尻をやわらかくしたソフトな表情」を心がけるように推奨している。自分の肩が抜けている、目に力が入らない時を思い出し、そのような視線を相手に投げかけるようにしたい。自分の場合は、子供のライオンを見るときが、目尻が下がって、肩に力が入っていないらしい。そして、うなずき方もバリュエーションを増やしたい。

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  あなたがこのうなずき方を実践しても、まずはじめはしくじる。うまくいくことはありません。しかしながら、千里の道も一歩から。

【話すきっかけをつくる】

  相手の話しを聞くときに、ほぼほぼ鉄板となっているのが、オウム返しである。そこから、自分がストックしている有用なネタ(前回のブログを参照)につなげるもよし。もしくは、相手のバックグラウンドを、相手の人生を全肯定、深堀りしていくことも大事だ。深堀りの展開で、使えるフレーズがある。

「何か特別なことをされているんですか?」

  これは相手にこだわりがあれば、承認欲求が満たされる、良いフレーズだと思う。この質問に対する回答から、会話を展開することもできると思う。

  ただし質問をするときに注意したいのは、情報を尋ねる質問はしないこと。悪い例は次のとおり(みんなよくやってる方法)。

A「週末の3連休中、Bさんは何をされているんですか?」

B「家族と釣りに出かけましたよ」

A「釣りですか! いいですね。どこに行かれたんですか?」

B「伊豆のほうに行ってきました」

A「伊豆ですか、何を釣りに行かれたんですか?」

B「ダイ釣りですね」

A「船で釣られたんですか?」

B「そうですね、船に乗って」

A「どれくらいの大きさの船ですか?」

   この会話例を読み、心躍ることがあるだろうか(超絶、釣り好きな人を除いて)?このままつまらない会話がフェードアウトするイメージしか湧かないと思う。

A「そう言えば3連休中、Bさんは何をされているんですか?」

B「家族と釣りに出かけました」

A「へぇ、ご家族と! Bさんはバリバリとお仕事をされていると伺ったので、ちょっと意 外でした。ご家族との時間は取られるようにされているんですね?」

B「ええ、実は平日はなかなか子どもにも会えなくて。だからせめて休日は家族サービスを心がけているんですよ」

  上記が良い会話例として本書に掲載されていた。もし私なら、このあとに投げかける質問としては、「家族サービスでは何か特別なことをされているのですか?」と投げかけ、なにもないとされたら有益な情報を渡し、家族関係の話しを避けるようであれば、話題を変えるように心がけたい(世の中には触れてはいけない、家庭の事情というものが存在する)。

【能動的な質問】

   相手の話を聞きわからなかったことは自分なりの見解を伝えてみること。

「勉強不足で恐縮なのですが、今おっしゃっていた〇〇というのは、どういうものなんでしょうか?✕✕のようなものでしょうか?」

   このように返答すると、能動的に聞いているという印象が持たれる。理解できる内容だあれば、自分なりの要約を伝えるのも大事だ。たとえ話や、置き換えなどを用いて伝えるのもいい。仮に相手会社の人事情報を知りたい場合、戦国武将に例えて、置かれている状況を聞き出すのも一つの手だ。

   何よりも聞き出したことは、その日にメモに落とし込もう。これらの日々の積み重ねが、大事につながる。

【つぶやき褒め】

   ひとたらしな方法でもあるが、つぶやきながら相手を褒めるのが効果的だ。

具体的なやり方としては、

1)あえて相手から視線を外して、天井や宙を見る

2)頷いたり首を横にかしげたりしながら

3)「いや~さすがだなぁ、その視点はなかったなぁ」

「何だか○○さんの話は落ちてくるんだよなぁ」などとつぶやきます。

   著者は冗談のようで、効果は絶大だと説明している。試して見る価値はあると思う。

【会話の結び】

    会話の結びで、相手の話の何がよかったかを具体的に伝え、また教えてほしい意思を伝えること。そして最後に、「○○さんのファンになっていいですか?」と伝えるとのこと。人たらしすぎる。なかなかおもしろい話を聞けるわけではないので、これを多投するのは厳禁だと思うが。

  仮に若い女の子と会話する機会があり、話の終わりに何かを伝えるのであれば、「勝手に好きになってもいいですか」と伝えるのもありかな?

【日々の心がけ】

    本書を読んだだけでうまくいくのであれば、人は誰しもが苦労はしない。練習してこそ、意味がある。次のことだけでも、日々、少しだけの心がけていきたい。

  • エレベーターで「何階ですか?」と聞く
  • 買い物の会計で何かを伝える
  • 苦手な人と会話をする

   コンビニで買い物をしているとき、老人が一方的に話しかけては店員が困っている姿をよく目にする。何か相手から一言でも引き出せるよう、工夫するのもいいトレーニングとなろう。

 

 

超一流の雑談力

超一流の雑談力

  • 作者:安田 正
  • 出版社/メーカー: 文響社
  • 発売日: 2015/05/20
  • メディア: 単行本