【感想】ユダヤから学んだモノの売り方  立川光昭

【書評】自己紹介が9割 立川光昭 - 鳥木ケンのブログ 〜金融系が多め

 以前、立川光昭氏の書籍を紹介させていただいた。今回も、同氏が刊行したビジネス書について、サラリーパーソンが役に立ちそうな項目を抽出したい。

 立川氏は中古バイク販売から会社を立ち上げ、その会社をユダヤ系商社へ売却。そのまま、当該ユダヤ商社に入社し、彼ら彼女らと肩を並べて仕事をし、社内で営業成績をあげ認められるという、よくわからない経歴の持ち主(どちらかというと、怪しい経歴の持ち主)。

 そんな彼が、ユダヤ系商社の解散に伴い、自ら広告代理店の仕事を始め、そこでどのように顧客や競業他社とwin-winの関係を築き、売上を上げていったかについて、本書で事例を上げている。その中でも、サラリーパーソンにも参考になりそうな二つの事例について、参照していきたい。

 

1.競業他社の出先機関となる

 彼が広告代理店を始めるた時、会社を経営する、多くの友人から、それはやめたほうがいいと助言を受けた。なぜなら、電通博報堂の2社の寡占企業から、必ず圧力をかけられ会社を潰されるというからだ。

 立川氏も、会社を大きくしていく過程で、この二社から芸能事務所へ立川氏の会社と仕事をしないように圧力がかけられたらしく、芸能事務所と仕事ができなくなった。

 その荒波をどのように対処したかというと、同業の大手とは張り合うのではなく、自らが電通博報堂の二社の出先機関として、仕事を両社に持っていきらその間に立って仕事を進めたとのこと。

 このエピソードを読み、文章で読めば簡単そうに見え、その行間からはの関係を上手く築けたようにみえるが、実際にはかなりの屈辱を乗り越えたのだろうと推察できる。

 何もしない、使えない大手の社員連中の太鼓持ちとして、そして自身の会社の売上を減らして仕事を進めなければならないのだから。ただ、これを苦労と取るか、波に乗ったと考えるかは、人それぞれだと思う。

 

2.売りたいものを売らずに実績を作る方法①

 例えば、あなたが新聞購読の勧誘担当者であるとする。どのようにして購読者を増やすか?手持ちのカードは、プロ野球チケットのタダ券とする。

 私がこの状況の場合、職を変えるの一択しか浮かばなかった。このような貧相な発想しかできない自分と比較してしまうと、立川氏が持つ発想力は段違いに上手であり、ジェラシーを感じてしまう。

 彼の対処方法はこうだ。新聞の購読者を探すのではなく、プロ野球のチケットがどうしても欲しい野球ファンを探すのだ。その野球ファンに、チケットを譲るから、新聞購読をして欲しいとバーターにする。その際、野球好きは横の繋がりがあるから、他の野球好きの友達を紹介してもらい、購読契約へと結びつけるのだ。

 

3.売りたいものを売らずに実績を作る方法②

 あなたが電力の自由化に乗る形で、電力の販売会社を作るとする。ただし、発電ではなく、契約切り替えで少し電気料金が安くなる仲介を本業とする。どのように営業をかけるか?

 立川氏は、このケースでは、2つの方法を提示してくれている。

 1つは、例えば、美容室へ営業にでかけ、美容室の顧客に電気の切り替えをお願いをしてもらう。この際、無料で美容サービスを提供(原資は電力切り替えによる、美容院へのバックマージン)するのと引き換えで、顧客にも費用負担はかからず、電力切り替えを営業してもらう方法。

 もう一つは、プロサッカーチームのブースでサポーターに電力の切り替えの手続きを行ってもらうこと。これを行うことで、チームの強化につながるのであれば、サポーターとしては嬉しい話。

 

 課題を解決して、win-winの関係を多くのステークホルダーといかに築くか?立川氏のビジネス手腕には驚かされる。

ユダヤから学んだモノの売り方

ユダヤから学んだモノの売り方

 

 

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